善を結い、割目、開口の威怒相。上半身裸形、下半身腰裳、天衣着用の力士形。左手を肩高に挙げて拳とし、右手は振り下げて平手とする。腰を左に捻って立つ。 仁王像の阿形である。背面まで手を抜かない力作。妙1那羅延堅固王像と酷似。
像高35.5㎝ 墨書銘無し
難陀龍王(なんだりゅうおう)
善を結い、顎髭を蓄える寂相、革鎧を着用する武人天部像だが、上半身をやや右に傾けて、四脚の龍を持つ。左手は腰高で龍の尻尾を執り、右手は胸高に前出して龍の足を受ける。龍は右肩を通って背面に回り、頭上に上半身を現す。情け無気な表情が楽しい。本来はコブラが龍神化されたもので、八大龍王の第一とされる。妙19難陀龍王に酷似。
像高42.9cm
磐座 墨書銘有り
頭巾を被り、顎髭を蓄える老人相。口は半開きとして歯を覗かせる。上半身は裸形で条帛を掛け回し、下半身には腰裳と獣皮を着用する。背を曲げて、左手に杖、右手に書巻を持って立つ。功徳天と共に胎蔵界曼荼羅以来の千手観音の眷属である。 妙20婆薮仙人に酷似。
像高38.4cm
磐座 墨書銘有り
善を結う寂静相、衣服は天女形。左手胸高で持物(薬壼)を執り、左手は胸高で軽く握り、第二・五指を伸ばす。沓を履いて直立する。一般には吉祥天とも呼ばれる。5の婆薮仙人と同じく胎蔵界曼奈羅以来の眷属である。手先・持物は後補。 妙2の功徳天と酷似
像高41・0cm
円形台座墨書銘有り
長髪の老女相。上半身は下衣と大袖の蓋衣を着け、腰帯を締める。合掌する。下半身には腰裳を着用。沓を履いて直立する。やや男性的な面貌である。妙18の摩和羅女と酷似。
像高38・5cm
円形台座 墨書銘無し
善を結い、革鎧を着用する武人天部形。口は半開きとしてわずかに歯を覗かせる。左手肩高に宝塔を掲げ、右手は腹高で持物(戦)を執る。沓を履き、腰を左に捻って立つ。単独では毘沙門天と呼ばれる。妙16毘沙門天と酷似。
像高40・3cm
磐座 墨書銘有り
炎髪、三面(一面三日)、割目威怒相(中・右面開口、左面閉口)の鬼神形で上半身裸形に条帛を着用。手は六臂で、左右第一手合掌。左第二手は頭高で持物(日輪)を執る。右第二手は同じく頭高に挙げて持物(月輪)を執る。左右第三手は腹高でそれぞれ弓・矢を執る。下半身は腰裳・腰布を着用。裸足で直立する。腕持物は後補だが面部は当初の彫法が窺える。妙23阿修羅王と酷似
像高42・5cm
磐座墨書銘有り
善を結う、頭上に五蛇を現す。眉根を寄せる威怒相、閉口。革鎧を着用する武人天部像で左手は胸高で持物(書巻カ)を執り、右手は腰高に前出して蛇を執る。沓を履いて腰をやや右に捻って立つ。妙8沙迦羅龍王に似るが持物(後補)を異にする。
像高41・2cm 磐座墨書銘有り
炎髪、割目、歯牙を露出する極憤怒相。上半身裸形、左手は胸高に挙げて持物の鳥杖を執り、右手も胸高に挙げて軽く握る。杖上には下半身腰裳だけを着用する鬼神形。腰をやや左に捻り、素足で台座上に立つ。ヒンズ1教三大神の一つで破壊を司るシヴァ神、大自在天とも呼ばれる。妙21の摩艦首羅王と酷似
像高42.8cm 磐座 墨書銘無し
炎髪、眉根を寄せて割目、閉口の威怒相。革鎧着用の武人天部像で、両手を前面腰高で組み、右手で三鈷剣を地に向けて持ち、を履いて腰をやや左に捻って台座上に立つ。十二神将では「毘羅」と呼ばれる。 現状の像容は妙22毘婆迦羅王と異なる部分もあるが、持物や下腕部は後補である。現状の服飾・手勢は妙11五部浄に酷似している
像高41・5cm 磐座 墨書銘無し
宝善を結う、口の代わりに嘴を持つ。革鎧を着用する武人天部像だが、背中に二枚の翼を持つ。両手で横笛を持ち、これを奏する姿で、腰を右に捻り、沓を履き、左足先を拍子を取るように少し上げて磐座上に立つ。妙17迦楼羅王と像容は一致するが、腰の捻りが左右逆である。当像は炎髪も現さない。
像高39・8cm 磐座 黒書銘無し
宝善を結う、眉根を寄せて割目、閉口する威怒相。革鎧を着用する武人天部像で、左手は肩高に挙げて書巻を執り、右手は拳にして腰に置く。沓を履き腰をやや右に捻って台座上に立つ。妙14は毘燃戦叉と燃名で呼ばれる。左手に書巻を執るが通常は広目天の持物である。なお、当像の持物は後補である。あるいは他像と混同があるか。
像高41・0cm磐座墨書銘無し
宝島を結い、頂上に獣頭(馬頭)を頂く。宝冠を被る。眉を逆八字に吊り上げ、割目、開口する憤怒相。上半身に蓋襠衣、下半身に長い腰裳を着用する貴顕天部像で、両手は前面胸高で掌を叩くようにする。沓を履いて台座上に直立する。別名は「動梨常母」いわゆる「鬼子母神」のことである。妙12神母王では胸前でを合わせる。彼像は眉根は寄せるものの、憤怒相は取らない。像高41・2cm 円形台座 墨書銘無し
宝善を結い、宝冠を着用する寂静相の貴顕天部像。大衣の下に革鎧を覗かせる。左手は腰高で金剛杵を執り、右手は鳩尾の高さで杯を執る。を履き台座上に直立する。ヴェーダの最高の英雄神で、仏教でも梵天と共に最も格の高い守護神とされる。 妙24の帝釈天像と類似するが持物は異なる。
像高41.5cm円形台座 墨書銘無し
宝善を結い、眉を逆八字に吊り上げ、割目、閉口する憤怒相。革鎧を着用する武人天部形で、左手は腰高で宝棒を執り、右手は拳にして胸高に挙げる。右に腰を捻りを履き、台座上に立つ。夜叉神だが経典に典拠は無い。19の「満善車王」と同一とも考えられる。妙26満仙人像は左手に三叉戦、右手に独鈷を執り、炎髪で現わされる。
像高37・8cm 磐座 墨書銘無し
象冠を被り、眉根を寄せ、割目、開口する憤怒相。革鎧を着用する武人天部形で、左手は胸高に挙げて人差し指、小指を立てる。右手は振り下げて拳にする。杏を履き、腰をやや右に捻って台座上に立つ。『千手陀羅尼経』では地界を支配する閻魔に対し、天界を支配する神将とされる。妙11の五部浄像は象冠は被らず腹前で両手を組み、右手で剣を持つ姿に現され、当像の12毘婆迦羅像に相似する。五部海居天が象冠を着用する図像は他例があり、あるいは妙法院像が尊名を誤っているか。
像高39・00m 磐座墨書銘無し
総炎髪、割目、上歯牙を現す極憤怒相。革鎧を着用する武人天部形。左手は腰に置き、右手は胸高に木槌を振り上げる。腰を左に捻り、右足をやや後ろに引いて半身となり、沓を履いて台座上に立つ。『千手陀羅尼経』に出る「満善・車鉢・真陀羅」という三夜叉を一神と誤ったものとされる。妙7の満善車王は大略同じ像容で左手に蛇を執る。
像高41・5cm 磐座 墨書銘無し
宝善を結う、面部は外皮を破り、内側から新たな顔が現れる。眉を寄せ、割目、叫ぶように開口する。革鎧を着用する武人天部形で、左手は腹前で宝棒を執り、右手は頭上に振り上げて独鈷杵を執る。腰を右に捻り、を履いて台座上に立つ。 二十八部夜叉の首領として『金光明経』など経典にも登場する。妙25散脂大将と大略像容が一致するが、妙法院像が三目であることや、持物にやや異なりがある。
像高42.7cm
磐座墨晝銘無し
甲を着用し、割目上歯牙を露出する威怒相。革鎧を着用する武人天部形で、両手に弓矢を持ち、腹前でこれを番える勢いとする。腰を右に捻り、やや腰を引きながら、杏を履いて台座上に立つ。 十二神将像としてクビラは「宮毘羅」と呼ばれる。ガンジス河のワニが水神化されたものである。像容は妙10金毘羅王と大略一致する。像高40・0cm 磐座 墨書銘無し
宝善を結い、宝冠を着用する。面貌は寂静相で、大衣の上から蓋襠衣を着用する貴顕天部形である。両手を腹前に出し如意を執る。沓を履いて台座上に立つ。 バラモン教の最高神で、宇宙の創造主とされる。仏教では帝釈天と共に護法神中最高の存在とされる。妙5の熱天は大略同じ像容で左手に蓋付の碗を持つ。
像高41・3cm磐座円形台座墨書銘有り
広目天の名である。甲を着用し、割目、開口の憤怒相。革鎧を着用する武人天部形。左手を振り上げて持物(戦)を執り、右手は腹前に振り出す。腰を右に捻り、左足をやや上げ、沓を履いて台座上に立つ。 妙15の毘楼博叉と像容が一致する。
像高40・5cm 磐座 墨書銘有り
炎髪、眉根を寄せ、割目、開口。上半身裸形、下半身に腰裳のみを着用する鬼神形で、両手で琵琶を執り、これを奏でる勢いとする。腰をやや右に捻り、裸足で台座上に立つ。梵名のマホーラガは「大蛇」を意味する。熱帯雨林に棲むニシキヘビの神格化されたものである。緊那羅と共に帝釈天に仕える音楽神とされる。妙27摩睺羅王は五目で頭上に蛇を絡ませる。
像高41・5cm 磐座 墨書銘無し
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